1. ファスナーの分類
ファスナーには多くの種類があり、形状と機能に応じて主に次のカテゴリに分類できます。
ボルト：円筒形のねじ山付き締結具。通常はナットと組み合わせて使用され、ナットを回転させることにより締め付け効果を発揮します。ボルトは様々な機械設備や構造物に広く使用されており、部品の接合・固定に重要な部品です。
ナット：ナットはボルトと組み合わせて使用される部品で、ボルトのねじ山と一致するねじ穴が内側に設けられています。ナットを回すことで、ボルトを締めたり緩めたりすることができます。
ねじ：ねじは、外ねじを持つ締結具の一種で、通常はナットを必要とせず、接続部品のねじ穴に直接ねじ込まれます。ねじは、接続プロセスにおいて、固定と位置決めの両方の目的に使用できます。
スタッド：スタッドは両端にねじ山が付いた締結具の一種で、通常は2つの厚い部品を接合するために使用されます。ボルトの締結効果は安定しており、高い引張力に耐えられる状況に適しています。
ガスケット：ガスケットは、接続部品間の接触面積を増やし、緩みを防ぎ、摩耗を軽減するために使用される部品です。通常、ガスケットはボルトやナットなどの締結部品と組み合わせて使用されます。
セルフタッピングねじ：セルフタッピングねじは、特殊なねじ山を持つねじの一種で、接続部に直接ねじ穴をあけて締結することができます。セルフタッピングねじは、薄板材の接合に広く使用されています。
リベット：リベットは、2つ以上の部品をリベットで接合する留め具です。リベット接合されたコネクタは、高い強度と安定性を備えています。
セール：セールは、2つの部品を接続して位置決めするために使用されるファスナーです。セールは通常、直径が小さく長さが長いため、正確な位置決めが求められる状況に適しています。
止め輪：止め輪は、シャフトまたはその構成部品の軸方向の動きを防止するために使用される部品です。止め輪は通常、シャフトまたは穴の端面に取り付けられ、その弾性または剛性によってシャフトまたはその構成部品の軸方向の動きを制限します。
木ネジ：木ネジは木材の接合に特化した留め具です。木ネジのネジ山は浅く、木材にねじ込みやすく、優れた締結効果を発揮します。
溶接釘：溶接釘は、高強度で高速溶接が可能なファスナーであり、様々な鉄骨構造建設や工業製造分野に適しています。裸の棒と釘頭（または釘頭のない構造）で構成され、溶接技術によって特定の部品またはコンポーネントに固定接続され、将来的に他の部品との安定した接続と組み立てを可能にします。
アセンブリ：複数の部品を組み合わせて形成された部品。これらの部品は標準部品または特別に設計された部品です。アセンブリの目的は、設置、メンテナンスを容易にし、生産効率を向上させることです。例えば、ボルト、ナット、ワッシャーを組み合わせて、迅速に設置できる締結アセンブリを形成することなどが挙げられます。
2. 規格および品種の決定の原則
ファスナーを選択するときは、次の原則に従って規格と種類を決定する必要があります。
種類を減らして効率を向上: 使用要件を満たしながら、種類と仕様を減らして生産効率を向上させるために、可能な限り標準ファスナーを選択する必要があります。
標準製品品種の優先使用：標準製品品種は汎用性と互換性が高く、生産コストと保守コストを削減できます。したがって、可能な限り、製品の標準部品の使用を優先する必要があります。
使用要件に応じて種類を決定する: ファスナーを選択するときは、使用環境、応力条件、材質などの要素を十分に考慮して、選択したファスナーが使用要件を満たすことを確認する必要があります。
3. 機械的性能レベル
締結具の機械的性能レベルは、その強度と耐久性を測る重要な指標です。GB/T 3098.1-2010によれば、ボルト、ねじ、その他の締結具は、4.6、4.8、5.6、5.8、6.8、8.8、9.8、10.9、12.9などの複数の性能レベルに分類されます。これらのグレードは、異なる応力条件下における締結具の引張強度と降伏強度を表します。例えば、性能レベル8.8のボルトは、引張強度800MPa、降伏強度80%（つまり引張強度640MPa）を表します。
4. 精度レベル
ファスナーの精度レベルは、製造精度と嵌合精度を反映しています。規格によると、ファスナー製品はA、B、Cの3つのレベルに分類されます。Aレベルが最も精度が高く、Cレベルが最も精度が低くなります。ファスナーを選択する際には、使用要件に応じて精度レベルを決定する必要があります。
5. スレッド
ねじは締結部品の重要な構成要素であり、その形状とサイズは締結効果に大きな影響を与えます。標準規格によると、ねじの公差は6H、7Hなどに分類されます。並目ねじは汎用性と互換性に優れ、一般的な締結に適しています。細目ねじは優れた耐ゆるみ性を備え、大きな振動や衝撃に耐える必要がある用途に適しています。
6. 仕様
ファスナーの仕様には通常、直径と長さという2つのパラメータが含まれます。ファスナーを選択する際には、在庫コストと製造コストを削減するために、標準仕様の範囲内で直径と長さを選択することをお勧めします。同時に、直径の選択においては、ファスナーの汎用性と互換性を高めるために、可能な限り最初の一連の値を選択する必要があります。
まとめると、ファスナーは部品の接合・固定に不可欠な部品として、工業生産において極めて重要な役割を果たしています。ファスナーの分類、選定基準、そして関連する技術的パラメータを理解することで、ファスナーをより適切に選択し、活用することができます。本日の共有は以上です。ご清聴、そしてお読みいただき、誠にありがとうございました。
投稿日時: 2025年1月6日